予防接種の「受けないリスク」について考える
前回は予防接種を「受けるリスク」である
「副作用」についてを取り上げてみました。
【前回の記事の記事はこちら】

今回は「受けないリスク」である
「病気になるとどうなるのか?」について
発生件数から考えていきたいと思います。
BCG(結核のワクチン)
「平成27年 結核登録者情報調査年報集計結果」(厚生労働省)にて、
0~4歳の結核患者数は
25年 27人
26年 17人
27年 29人
家族や親しい人に結核の人がいる場合は注意が必要
結核の発生が多い地域に住んでいる、
MR(麻しん、風しんの2種混合ワクチン)
発症面数は、年間200~300人。
国立感染研究所のデータによると、
ワクチン接種しても、麻しんにかかっているケースもある
4種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)
ジフテリア
年間患者数は0~1人ほど。
世界的にも流行は押さえられている。
百日咳
年間患者数は1000~2000人。
たまに地域地域で流行することがあり、
咳込み、呼吸は苦しく、赤ちゃんにとっては負担感のある病気。
破傷風
年間患者数は100人ほど。(9割が40歳以上)
土の中で生きてる破傷風菌が傷口から体内に入り込みことで起こる。
ポリオ
1980年を最後に自然感染者は出ていない。
5歳以下のこどもみられ、運動神経系の細胞がおかされる病気
日本脳炎
2007~2016年の10年間で55件の発生 (年間5人ほど)
主にコガタアカイエカが媒介する日本脳炎ウイルス(JEV)感染によって起こる
子宮頸がんワクチン(HPV)
子宮頸がんになる女性は年間約1万人
HPVに感染しても90%以上の感染者では、感染後数年以内にHPVウイルスが自然に排除(消失)されます)が、排除されずに長期間感染したままでいると尖形コンジローマや、子宮頸がんなどのがんが生じることがあります。
ヒブ、肺炎球菌
ヒブ
国の統計はありませんが、Hib感染症の発生状況を調査した研究によると、2012年は髄膜炎等の重篤な感染症が10万人当たり1.5人程度みられ、患者数は徐々に減少していると報告されています。
Hibの感染による重篤な疾患として、肺炎、髄膜炎、化膿性の関節炎などが挙げられる
肺炎球菌
肺炎球菌による細菌性髄膜炎は年間200人ほど。
肺炎球菌による感染症。
発生件数はものすごく多いわけではない。
以前は多かった病気も、最近では
発生件数はものすごく多いわけではないことがわかりました。
発生件数が少ないことについては、
予防接種の効果という見方もあれば、
公衆衛生が整ったとい見方もあるようです。
症状については、
どれも重症化しない限りはそれほど危険ではなく、
重症化する確率も少ないようです。
まとめ
発生件数は少なく、重症化しなければ危険性は高くない
全体的に発生件数は少なく、
重症化しなければ危険性は高くはないようです。
といっても、逆に言えば、
”重症化すると危険”とも言えるわけで、
「重症化しないために予防接種を受けた方が良い」という意見も理解できます。
受けるリスク と 受けないリスク どちらをとるのか?
結論としては、
予防接種は受ける場合は、
予防効果が期待できる。しかし副作用のリスクはある
予防接種を受けない場合は、
副作用のリスクはゼロだが、予防接種を受けた場合と比べると病気にかかるリスクがある。
したがって
完全にリスクがない選択肢というのはないし、
どちらを取るのかは、人それぞれ違うと思います。
ただ、やはり予防接種には
副作用の心配はあるものなので、
何も考えずに予防接種を打つのではなく、
それぞれのリスクについて理解、納得して選択してほしいなと思います。
それでは、お読みいただきありがとうございました。
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